千手観音さまから受け取った、慈しみの振動

02.私のかけらを探す旅

また来ます。また来ます。今度は奥社さまにも伺います。
寒くてブルブル震えていたのに、お参りを終えるとふんわりと温かかった。

本当に欲しいものが、欲しいって言えない。

「龍神様を巡る旅」長野の旅の次に選んだのは、日光東照宮。
この旅が「見えない世界」をはっきりと感じさせてくれて、なんだこれは!?なんだこれは!?の嵐の始まりだったのだ。

レンタカーを借りて首都高速から、東北自動車道へ。
日光に行く途中、寄りたいところがあった。それは、大谷地下採掘場跡地(大谷資料館)

地下を掘り進めていくタイプの採石場で、内部の広大な空間は、入り口からはとても想像できないほど大きな、神殿を思わせる世界。アーティストのPV撮影などでも使われている、とても美しい空間なのです。

宇都宮から北西へ30分くらい。途中でタイの寺院に迷い込み、自分たちがどこにいるのか一瞬わからなくなったりしながら、大谷資料館の近くまで来ると、ナビに大谷寺。という寺院がある。

せっかくだからお参りしていこうかと、軽い気持ちで駐車場に車を止め中へ入ったら、そのお寺は、ちょっと説明しにくい異様な景色の中にあった(画像が大谷寺です)。

まるで水流に削られたかのような、せり出すような奇岩の下に、どう見ても建物が岩に遠慮している風情で建っている。古代に横穴式住居として使っていた洞窟の内部に建物を建てたらしい。

数人の訪問者が集まると、案内の方がガイドをしてくれた。
注意事項や云われなどを説明してもらい本堂へ入ると、4mほどはあろうという千手観音像が両手を広げていらっしゃった。

大きな岩肌に直接彫刻された、大きな千手観音さまは、光り輝くように美しく優しく見えた。

とん。
と、胸の真ん中を、軽く触れられた気がした。

「千手観音には、千の手と、その手のひらに千の目が有ります。その目は、いつなんどきも私達を見守ってくださっています。そしてそのたくさんの手で、全ての生き物を救ってくださっています。」

案内の方の声にかぶせるように
「いつでも見ていますよ。大丈夫ですよ。」
と脳内に流れた…

ひっ…
思わず声が出て、涙が止まらなくなった。

「なんてありがたい。」
言葉にするとそんな感じ。

「ありがとうございます、ありがとうございます。」
心の中で唱えながら、私はぽたぽたと大粒の涙を流していた。

なぜ、涙が流れるのかよくわからなかった。涙は勝手に出ているのだけど、思考はポカーンとしてしまっていて、なにが起こっているのかよくわからない。

ありがたい、という気持ちで涙が出るなんて、その時が初めてだったし、思考で考えるに「ありがたい」という特別な何かがあったわけではない。考えれば考えるほど「ありがたい」意味が分からないのだ。

と思う反面、これが宗教なんだなー、こういう神に触れられる一種の奇跡体験みたいなものがあってこそ、見えない何かを信じることにつながるんだろうなー。ふむふむ、と考えている自分もいる。

でも、涙は流れ続ける。最悪なことに膝も手も震えだしてきた。
この、身体で感じていることを言葉にしようとすると「慈しみ」「愛」「感謝」「ありがたさ」「至福」以外のものでは表現できない。

それなのに自我は「意味わからん」とポカンとしている。感じていることと、考えていることのあまりの違いに、頭が痛くなってきた。

「いつもありがとうございます」感謝を述べて、次へ進もうとするのに、身体が離れがたいと足が前へ出ない。
でも、もう頭痛が限界。引きずるように身体をその場から引きはがした。

離れたら少し身体が楽になった。
えーっ、いまのなにー?何が起こったのー?
答えは出ないけど、何かを千手観音さまから受け取ったのだ、伝わったという方があってる?

それは、微細なバイブレーションのようで、細かく振動していて、温かかった。

千手観音菩薩さまは、私の守護神さまだと祖母から聞いていたし、祖父からは私の守り神として手彫りの観音像をいただいている。ふと何十年も忘れていたそんなことを思い出した。

おじいちゃんやおばあちゃんが、ここに連れてきてくれたのかな。ありがとうと、心の中で手を合わせた。

大谷地域は、約1500万年前に起こった海底火山の噴火により膨大な凝灰岩の地層ができ、その岩盤を縄文時代から様々に利用してきた土地だったそうです。

大谷寺の観音像は、平安時代、弘法大師、空海の作と伝えられているそうですが、最新の研究ではバーミヤン石仏との共通点が見られるとのこと。古い昔にアフガニスタンから渡ってきた方がいるということなのでしょうか。いるのでしょうね。

バーミヤン渓谷によく似た岩に、懐かしい仏像を刻んだのかと、そして本国の石仏は破壊されてしまったけれど、遠く離れた日本で、時空を超えて神様と繋いでくれる仏像を岩に掘ってくださったなんて、名も知らぬ方へ、心より感謝を贈りたくなったのでした。

コメント

  1. […] どうやら初めてのチャネリングは観音さまらしいの続きね。 […]

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