あの人が忘れられない

03.自己定義とビリーフ

誰にでも、忘れがたい人が、いるのかもしれません。

それはそれとして、思い出になっているのであれば問題ないのですが、いまだに思い出すたびにつらくて涙が出るとか、忘れられなくて仕事が手に付かない。みたいなことになってくると、ちょっと厄介です。

「忘れられない」
みたいな抽象的な言葉は、細分化してみると自己分析に役立ちます。
自己分析すると、自分の囚われが見えてくるので、楽になるんです。

楽になるとは、自由になるということです。
忘れられないと言うと詩のようで素敵ですが、囚われのひとつです。
囚われていると不自由ですので、苦しくなります。

そうそう、忘れられないってビリーフなんですよね。

カウンセリングセッションでも、悩みを細分化してみたり、俯瞰してみたり、多面的に見てみたりすることで、バクっと大きかった悩みの根っこがなんなのか、なににそれほど囚われて居るのか、というところを明らかにしていきます。

「忘れられない」を細分化してみると、後悔、未練、愛情が残っている、執着などに分けられるのかな。

「後悔」
は、ああすればよかった、こうすればよかった、というような自責の念が伴う感情、あの対応をしなかったら別れなくて済んだのかもしれない、のような。

「未練」
は、執着が残って諦めきれないこと、心残り。
まだ復縁できるのでは?…と希望がある気がしてしまうのは、未練になるのかもしれないですね。

「執着」
は、一つのことに囚われて、そこから心が離れられないこと。思い通りにならなかった怨念を募らせている状態です。

まだ好きでいるのような「愛情」が残っている状態と、「執着」の違いは、相手の思う通りを許せるか、自分の思う通りにしたいか、の違いだと捉えています。

愛情は、相手の自由を許せる。執着は相手の自由を許せない。
愛情はある意味、彼を手放してしまっているので、つらくありません。

だから、昔の彼が結婚しましたと聞いて、ぐわっと怒りが出てきたり、悲しみに襲われてしまったとしたら、きっと執着なんです。

こうして並べてみると、忘れられないにも、複数の種類の「感情」があることがわかります。まず、この感情を適切に感じてあげることが必要です。

昔流行ったドリカムの「SUKI」という曲がありますが、バスタブで膝を抱え、
そっか、私ずっと泣きたかったんだ。と独り言ちる場面が描かれます。

そこからはずっとひたすら「好き」を連呼するだけの歌詞なのですが、あの自分の感情にとことん付き合うやり方は、自分を癒やしていく一番はやい方法なので、吉田美和きっとレジリエンスが高い方とお見受けします。

私は大丈夫、全然平気なふりをしているのに、心の中はズタズタという状態では、前にも後ろにも進めません。
一度、離れている状況を客観的に捉え、自分がそこにどんな感情を抱いているのかを、ゆっくり探していってください。

そして、実はこの「感情」の根っこにビリーフがあります。
そこは、おひとりお一人状況も経験も違うので、ここでは触れませんが、それだけつらい思いを引き出されている「忘れられない人」というのは、とてもご縁の深い方なんだと思うのです。

そこから自分が、本当はどう在りたいかを、見直すチャンスなのかもしれません。
前を向くためには、後ろを終わらせてくる必要があります。

いま、そういう状況だったとしたら、そこから学ぶことはなんだろう?と。感情に目を向けてあげてくださいね。

コメント

  1. […] 「あの人が忘れられない」でも書きましたが、その時点から何年経っても、思い出すと憎しみや痛みがぶり返す、という方もいらっしゃるかもしれません。忘れられないのは、その「痛 […]

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